2022年3月15日火曜日

ハリマオ: ウクライナ危機は金融戦争と食料危機へと移っていく

 






ハリマオ: ウクライナ危機は金融戦争と食料危機へと移っていく
ウクライナ危機は金融戦争と食料危機へと移っていく
ウクライナの核開発疑惑に核兵器輸出疑惑。
ゼレンスキーはソロスによって送り込まれた新世界秩序のエージェントで、ロシアからウクライナを経由してヨーロッパに流れる天然ガスを盗んで数十億ドルを儲けている。
さらにドンバスを砲撃している間、クリミアへのすべての給水を遮断した。金儲けのためなら何でもやる、もっとも汚いユダヤ人である。
以下は、さくさくスムーズに読めるウェブマガジンの最新記事(3月5日配信)「ウクライナ偽装危機は金融戦争と食料危機へとステージを移していく」の導入(プロローグ)であり、メルマガ本文ではありません。
本文はウェブマガジンでお読みください。
■日本を戦争に巻き込みたくなければウクライナに同情するな!
評判の良い評論家、アナリスト、学者、国際ジャーナリストたち・・・軒並み予想を外しまくって青ざめている。
まさかロシアが首都キエフにまで侵攻するとは予想していなかったらしい。彼らの失敗を目の前にした用心深い「専門家」たちは、ウクライナ危機は地政学的脅威だと口をそろえて言う。そう言っていれば、ハズレがないからだ。
では、その地政学的脅威とやらを、2分で検証してみよう。
地図の赤線はロシアとの国境だ。ソ連崩壊後の軍事を伴う紛争は、すべてこの赤線付近で起こされてきた。この赤線に沿った国々は、かつてのソ連の衛星国や同盟国だった。
なぜ世界支配層が旧ソ連の衛星国を次々と独立させていったのかというと、新世界秩序(ここでは便宜的にディープステートとしておいて問題ない)が手に余る大国を崩壊させるときの「細かく分解して、制圧を容易にする」という彼らのセオリーに忠実に従ったからだ。
日本の洗脳メディアの情報を脳に叩きこまされてきた私たちは、「どうせ小国と小国とのケチな利害のぶつかりあいさ」とさして関心を持たなかった。日本の大手メディアと、はした金で雇われた論客は、これらの紛争を「宗教戦争」や「民族対立」にすり替えて私たち国民に真相を報せないようにしてきた。
彼らが気にしているのは国民の良識ではなく、CIAとCFR、その下請け機関のCSISだからだ。
もちろんこの赤線上で起こった紛争の発端は、どんな場合でも、米軍と欧州NATOが一方的にロシアに難癖をつけて「ロシア悪玉論」を国際世論としてきた欧米主流メディア(日本の読売、毎日、朝日の中の米国のポチ)の詐欺報道にある。
これらの報道機関は、せっせと米軍のデッドストック寸前の兵器を消化しながら在庫調整をやってきた軍産複合体に利益をもたらしたのだ。
分かりづらい?これ以上、平易に書くことは不可能なので、さっさと北から南に降りて行こう。
まずバルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)だが、ひとくくりにいったい誰が?
この3つの国々は文化、民族、宗教も異なっている完全に異質の国々である。リトアニアだけは無宗教だが、あとはキリスト教圏である。
この3つの国は、ソ連から独立してNATOとEUの両方に加盟している。NATOとEUとのバランスを取りながらロシアを意識しなければならないのは、2016年10月、ロシアの飛び地「カリーニングラード」にロシア軍の核弾頭搭載可能な弾道ミサイル「イスカンデル」が配備されたからだ。
この3つの国はロシアに忠実な国ではないが、ロシアの核に睨まれている以上、NATO軍に加盟しておきながら、NATOに与することもできない立場に置かれている。
それでも、ヨーロッパ新世界秩序は、リトアニアに核兵器搭載可能なミサイル基地を置こうとしている。この動きは、かえってロシアを刺激し、リトアニアの隣国、新世界秩序側のポーランドを危険に晒すことになった。米国とヨーロッパは、ロシアをSWIFTから占め出そうとしているが、デンマークのダンスケ銀行エストニア支店は、ロシアのルーブルをドルに換える、いわゆる「ドル転」をやっているので、この制裁はロシアにとってさして痛手とはならない。
それに、ロシアは中国とともにSWIFTから締め出される日が来ることを想定して、金(ゴールド)の現物を備蓄してきた。国際取引は、ドルなどより金(ゴールド)のほうがありがたい。
ロシアには金(ゴールド)と石油、天然ガスという、米ドルやポンドより強い「通貨」がある。だから、欧米勢の「SWIFTからのロシアの締め出し」というのも、ロシアに大きなダメージを与えることができないと分かった上でやっている演技に過ぎない。
間もなくバイデンがビットコイン(暗号通貨全体)に強い規制を入れると踏んだ投資家たちが、暗号通貨を売って金(ゴールド)に資金移動していることもロシアにとっての追い風になっている。それに、おそらくであるが、中国が市場から金(ゴールド)の現物を買い増しして価格を吊り上げているのだろう。
これでは、なんとかしてロシア経済を潰そうとして金(ゴールド)価格を抑え込んできたロスチャイルドの中央銀行ネットワークでも太刀打ちできない。金(ゴールド)は、ここから大きくジャンプするだろう。
地図を南下していこう。親ロ国であるベラルーシであるが、(おそらく10年以上前から)米国とEUがウクライナ紛争を仕掛けてくることを見越して、粛々と核武装の段取りを進めてきた。親ロ国とはいえ、ベラルーシの核武装には難色を示していたプーチンではあるが、ウクライナの隣国ルーマニアでは、NATOのミサイル防衛(MD)システムが稼働しており、ポーランドでも、すでに迎撃ミサイルSM3を配備されている。
これらのミサイルは「防衛システム」とはいうものの、小型核弾頭を搭載することができる。いつでも先制攻撃用に転用できるのだ。その上、リトアニアに核搭載可能なミサイルを配備しようとしているのだから、プーチンもベラルーシの核配備計画を制止することはできない。
決定打は、日本と同じように表向きは「非核三原則」を堅持してきたウクライナで核開発疑惑が持ち上がっていることだ。ウクライナの核プログラムはIAEAの監視下にあり、平和的利用に限られているというが、IAEAがチェルノブイリや福島で何をやってきたかを知っている人なら、ウランシンジケートを一手に握っている ロスチャイルドの原発ビジネスのプロモーターとして設立されたIAEAの言うことなど、誰が信じるか、ということになる。
もちろん、西側のメディアは、ロスチャイルドのIAEAの主張を検証することなく受け入れて必死になって「ウクライナ核疑惑」を否定している。
西側メディアのほぼすべてがロスチャイルドのメディアなので当然だ。
ウクライナは広大で肥沃な大地を持っている。特に、肥料生産にかかせない原料の多くのシェアを握っている。ウクライナの台地が汚染されれば、ヨーロッパの食卓はかなり貧しいものになるだろう。
しかし、ウクライナの本当のビジネスは兵器開発なのだ。旧ソ連が崩壊したとき、核技術がウクライナに流出した。世界最大・最凶の極悪メディアであるNHKが、なぜ、ロシア軍がウクライナ南東部にあるヨーロッパ最大規模のザポリージャ原発を掌握したのか、理由(わけ)が分からないとほざいている。
この公共放送は、本当に有害だ。組織、職員ともども、ここまで悪質だと国民の命を守るために潰すしかない。ロシア軍は、ザポリージャ原発で核爆弾の原料である濃縮ウランを製造している事実を把握しているからに違いない。
2014年11月28日、そのザポリージャ原発3号炉で事故が発生した。
2014年にCIAが仕掛けたウクライナ騒乱によって、親ロ派のヤヌコーヴィチ政権が打倒され、ロスチャイルドじきじきのご指名によって新世界秩序のエージェントであるポロシェンコが大統領の座に就いて半年後のことだ。
さっそく隠蔽体質を発揮して、ザポリージャ原発事故が公式に発表されたのは、事故発生から5日後の12月3日だった。事故は変圧器の故障によってもたらされ、放射性物質は放出されていない、ということだったが、日本列島各地では線量の異常な上昇が確認されたので、この報道はポロシェンコ政権の嘘であることが明らかとなった。日本のメディアは、「ウクライナの悲劇」としてウクライナ国民の嘆く姿ばかりを報じているが、とんでもないことで、ウクライナほど汚辱にまみれた汚い国は他にはない。
確かにウクライナ難民が発生しているが、テレビのニュースに出てくる物言いのウクライナ人と称する人間は、ほとんどアクターである。東西の世界秩序が激突するウクライナは、ロスチャイルドの西側・新世界秩序陣営とロシア側の陣営との間で、停戦協定が結ばれたことによって、かろうじて、紛争の伝播が北上することを食い止めてきたが、そのロスチャイルドのウクライナがミンスク合意を反故にしたことによって、このバランスが崩れ、今回の開戦となった。
2017年1月27日付の英紙「テレグラフ」などは、ゴルバチョフを登場させて「核の脅威が再燃する中、世界は戦争の準備段階に入ったようだ」と一歩踏み込んだ予想を出している。
1989年1月20日、モスクワで開催されたソビエト連邦共産党中央会議に三極委員会のメンバーがやってきて、ゴルバチョフを取り囲んだ。
左から、デビッド・ロックフェラー、ジョージ・バートン(現・三極委員会・欧州名誉会長)、ミハイル・ゴルバチョフ、ジスカール・デスタン、ヘンリー・キッシンジャー、中曽根康弘、大河原良雄)。この会議でジスカール・デスタンは、ゴルバチョフに言い聞かせるようにこう言った。
「ソ連は崩壊する(崩壊させる)・・・だから、ミスター・ゴルバチョフ、あなたは、その準備を始めるべきだ。
おそらく15年以内にヨーロッパは一つの連邦国家になる。
ソ連が崩壊して新しく生まれ変わったら、あなたの国は、われわれの世界金融機関(システム)に組み込まれなければならない」。
ゴルバチョフは、このときソ連を裏切って新世界秩序の陣営に組み込まれた。彼が得た報酬は広大な土地と生涯保証年金だった。
ゴルバチョフは、「ソ連解体の時のオ、オレの判断ミスによって世界を核戦争に引きずり込んでしまうかもしれない」と心配になってきた。
良心の呵責に耐えかねたのか、とうとう第三次世界大戦を警告し出した。
キエフの高層住宅にロシア軍のロケット弾が命中した。この動画はよく撮れている。これも・・・
9.11の反省からか、監視カメラの荒い画質を装っているが捏造だ。CNNとなると、観るに堪えない。ロシア軍のキエフ侵攻というシナリオがあらかじめ存在していて、事前にいろいろなショットのクリッピングをつくっておいて編集でつなぎ合わせたものだ。これらの映像の何割かが、プログラムソフトでつくられた「実在しない映像」であることを見抜くのは至難の業だ。
だから、キエフ市内のそこここに設置してあるライブカメラの映像を逐一チェックして自分の目で確かめることが大事になってくる。
・キエフのライブカメラ1 >>YouTube   
・キエフのライブカメラ2
・キエフのライブカメラ3
キエフ市内には、まだまだたくさんのライブカメラがあるはずだ。自分で見つけてほしい。
■ロシアは、すでに金融戦争に勝利している
この動画を観てほしい。こんなペテンにうんざりしたウクライナ兵が武器を放棄して、故郷に向かっている。しかし、彼らは「名誉の戦死を遂げた」ことにされて、この世には存在しないことになってしまった。
ウクライナ芸能界のお笑い出身のウォロディミル・ゼレンスキー大統領によれば、「彼らは身を挺してウクライナの国土をロシアから守った勇敢な兵士だった」ということになる。
彼らはピンピン生きている。指先一つ怪我をしていない。ペテン師のユダヤ人、ゼレンスキーによって「死んだことにされてしまった」のだ。
ゼレンスキーによって勝手に遺族にされてしまった彼らの家族は、自分の息子がピンピンして返ってきたからといって、決して幽霊ではないので、温かく迎えてやってほしい。ゼレンスキーは、ウクライナを経由してロシアからヨーロッパに流れる天然ガスから数十億ドルをちょろまかしている。
またヤツは、ウクライナ軍が東部のドンバスを砲撃している間、残酷にもクリミアへのすべての給水を遮断した。これのどれも主流メディアは封印している。このゼレンスキーという悪党は、金儲けのためにウクライナ市民を犠牲にしているのだ。
ロシア議会は、主流メディアの虚偽報道を禁止する法案を可決した。違反した者には、最大15年の禁固刑が申し渡されるということだ。それはロシア国外にも適用するという。
日本のインチキ戦場ジャーナリストは特に注意だ。そもそも、このゼレンスキーという男、ロスチャイルドの下僕であるジョージ・ソロスにすっかりお膳立てされてウクライナに送り込まれたエージェントだ。
グルジア(現ジョージア)のサーカシビリとまったく同じだ。サーカシビリは、グルジア生まれでありながら、2008年の南オセチア紛争(グルジア・ロシア紛争)で西側のエージェントとして活躍したことがバレて、ウクライナに亡命した男だ。このサーカシビリというジョージ・ソロスのエージェントが、ロスチャイルドの操り人形、ポロシェンコの最高顧問に就任したのだ。よくできた話だ。
繰返すが、背後には国際金融資本・・・ロスチャイルドがいる。あまりにも、分かりやすすぎる。
では、ゼレンスキーはどの国に逃亡するのだろう。さてさて、案の定、今回も入ってきたよ、「志願兵」というサラリーマン傭兵たちが・・・2014年のウクライナ騒乱の時、キエフの市街をのっしのっしと歩いていたのは「ネオナチ」と呼ばれる傭兵だった。
もちろん、ジョージ・ソロスから「お給金」が出ていたことが判明している。だから、今度は無償でもウクライナの領土を守るぞ!と勇ましい「義勇兵」というわけだ。彼らは、どこで法外なお給金を受け取るのだろう。スマホを通じて、彼らの電子ウォレットにビットコインがチャリンチャリンと投げ銭されるのだろうか。であれば、1分でも早く前金で支払ってやれ。暗号通貨はもっと下げるだろうからね。
さて、動画を観たあなたの感想は?傭兵だのインチキ義勇兵だのがしゃしゃり出てくると紛争が長引く。それで、最終的には国際通貨システムをゆるがしてハイパーインフレを引き起こそうというわけだ。
しかし、ロシアは、すでにこの金融戦争に勝利している。この後は、悲惨過ぎる。
発展途上国における「仕組まれた」略奪が進んで餓死者が大量に出てしまうということだ。
我が国も、おちおちしていられない、と騒ぎ出す。これをショックドクトリンにして、ドルの破壊と同時にデジタル通貨システムへの切り替えと、ユニバーサル・ベーシック・インカムの実現へと大きく歩を進めるシナリオへと移行する。いろいろ込み入ったことを書いても理解するのが難しいのだろう。
ただひとつだけ言いたいことは、人々が観ているテレビのニュース映像のいくつかは、「ヤラセのつくりもの」であるということだ。それを信じ込んで「ウクライナは善 ロシアは悪」と単純思考回路の暴走に任せていると、デフォルト状態に陥った日本でも経済的徴兵制が施行されて、今までスマホの画面で戦闘ゲームに没頭していた若者たちが、本物の戦闘に駆り出されるかもしれない。
ウクライナ問題は複雑だ。長く書きたくないので、この辺で終わりにしよう。
後は、8年前に書いた「フリーメーソンと『分割ウクライナ』は東西新構想の実験場」に目を通してくれれば、ウクライナ、ロシアがどうなっていくのか言い当て、みーんな予言者になれる。
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この記事はウェブマガジンの2022年3月5日配信の最新記事「ウクライナ偽装危機は金融戦争と食料危機へとステージを移していく」の抜粋です。
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【解説】 ウクライナでの戦争の結末は 5つのシナリオ
2022年3月7日
ジェイムズ・ランデイル、BBC外交担当編集委員
Ukrainian servicemen get ready to repel an attack in Ukraine's Luhansk region. Photo: 24 February 2022画像提供,GETTY IMAGES
戦争の霧の渦中にいると、どうやって前に進むべきか、道をみつけるのは大変だ。外交の舞台裏から聞こえてくる騒音。愛する人や家を失った人たちの感情。こうしたものに取り囲まれて、私たちは押しつぶされそうになる。なので今、一歩引いて、ウクライナの紛争が今後どうなり得るか、考えてみようと思う。各国の政府幹部や軍部の戦略担当はどのようなシナリオを検討しているのか。自信をもって未来を予言できる人はほとんどいないが、実現可能性のある展開をいくつか並べてみた。そのほとんどの見通しは暗い。
◆シナリオその1 「短期決戦」
このシナリオでは、ロシアは軍事行動をエスカレートさせる。ウクライナ全土で無差別の砲撃が増える。これまでの作戦では目立たずにいたロシア空軍が、壊滅的な空爆を開始する。国の主要インフラを狙った大規模なサイバー攻撃が、ウクライナ全土に及ぶ。エネルギー供給と通信網が遮断される。市民の犠牲は数千人に達する。首都キーウ(キエフ)は果敢に抵抗するが、数日で陥落。政府はロシアの傀儡(かいらい)政権に取って代わられる。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は暗殺されるか、ウクライナ西部へ脱出。あるいは国外に逃亡し、亡命政権を樹立する。ウラジーミル・プーチン大統領は勝利を宣言し、一部の軍を撤退させるが、一定の支配力維持のための部隊を残す。数千、数万人の難民が引き続き、西へと脱出を続ける。ウクライナはベラルーシ同様、モスクワの従属国家となる。
このような結果は決してあり得なくはないが、こうなるには現状がいくつか変化する必要がある。ロシア軍の機能が改善し、効率的に戦う部隊が増派され、ウクライナのすさまじい闘争心が薄れなくてはならない。プーチン氏はウクライナで政権交代を実現し、ウクライナが西側諸国の一部になるのを阻止するかもしれない。しかし、ロシアが打ち立てる親ロシア派政府は、たとえどのようなものだろうと正統政府ではあり得ず、反乱の対象になりやすい。このシナリオがもたらす結果は不安定で、紛争再発の可能性は高い。
◆シナリオその2 「長期戦」
それよりもこの戦争が長期化する方が、あり得る展開かもしれない。ロシア軍は、士気の低下、兵站(へいたん)の不備、無能な指導者のせいで、泥沼に陥る可能性がある。キーウの攻防は、道路単位で戦われる市街戦になるだろう。そのような都市をロシア軍が確保するには、上記のシナリオよりも時間がかかるかもしれない。そうなれば、長い包囲戦が続く。このシナリオは、1990年代にロシアがチェチェンの首都グロズヌイを制圧しようとして、長く残酷な苦戦を延々と続けた挙句、グロズヌイをほとんど壊滅させたことを連想させる。
Chechens during the Russian occupation of Grozny
ロシアがグロズヌイを占領した当時のチェチェン人
たとえロシア軍がウクライナの複数都市をある程度掌握したとしても、支配し続けるのはおそらく大変だろう。ウクライナほど広大な国を制圧し続けるための部隊を、ロシアは派兵し続けられないかもしれない。対するウクライナ国防軍は、地元住民に支持され、戦意も十分な、効果的な反乱軍に姿を変える。西側諸国は武器と弾薬を提供し続ける。そして、もしかしたら何年もたった後、ロシア政府の首脳陣が交代した後、ロシア軍はやがてウクライナを去るのかもしれない。かつてソ連軍が1989年に、イスラム教徒の反乱軍と10年戦い続けた挙句にアフガニスタンを去った時のように。うなだれて、血まみれになって。
◆シナリオその3 「欧州戦争」
この戦争がウクライナ国外にまで波及してしまう可能性はどうだろう。プーチン大統領は、北大西洋条約機構(NATO)非加盟の旧ソヴィエト連邦構成国、たとえばモルドヴァやジョージアなどに部隊を送り込み、かつての「帝国」を取り戻そうとするかもしれない。あるいは、ただ単に誤算とエスカレーションが起こるかもしれない。プーチン氏は、西側諸国がウクライナ軍へ武器供与するのは、侵略行為であり、反撃が正当化されると宣言するかもしれない。あるいは、ロシア沿岸の飛び地カリーニングラードとの陸上回廊を確立するため、リトアニアなどNATO加盟国のバルト三国に派兵すると、脅すかもしれない。
A view of the square outside the damaged city hall of Kharkiv, north-eastern Ukraine, on March 1, 2022, destroyed as a result of Russian troop shelling
ウクライナ北東部ハルキウの市役所前広場はロシア軍の砲撃で破壊された(3月1日)
これは非常に危険な動きで、NATOと戦争に至る恐れがある。NATO条約第5条は、1つの加盟国への攻撃は全加盟国への攻撃に等しいと定めている。しかし、自分の地位を保つにはそれしか方法がないとプーチン氏が考えたなら、この危険を冒すかもしれない。ウクライナで敗北に直面した場合、プーチン氏はエスカレーションを選ぶかもしれない。プーチン氏が長年の国際規範に違反することもやぶさかではないことも、すでに分かっている。核兵器の使用についても、同じかもしれない。プーチン氏は2月末、核部隊に「特別警戒」態勢をとすりょう命令した。ほとんどのアナリストは、だからといって実際に核兵器をおそらく使うというわけでも、間もなく使うというわけでもないと指摘する。しかし、戦場で戦術核を使用することが、ロシア政府には可能なのだと、あらためて確認された出来事だった。
◆シナリオその4 「外交的解決」
それでもなお、ほかのすべてを置いてでも、外交的な解決はまだ可能なのだろうか。
アントニオ・グテーレス国連事務総長は、「今は銃が話をしているが、対話の道は常に開かれていなくてはならない」と述べた。確かに対話は続いている。フランスのエマニュエル・マクロン大統領はプーチン大統領と電話で話している。各国が外交ルートでたえずロシアに接触を試みていると、外交関係者は言う。加えて、ロシアとウクライナの両政府代表団はすでに2回、ベラルーシ国境沿いで交渉に臨んでいる。交渉による進展は今のところあまりないかもしれない。しかし、交渉に応じたというその一点だけからしても、プーチン氏は少なくとも交渉による停戦合意の可能性を受け入れているようだ。
重要なのは、外交官が言うところの「オフランプ」(アメリカで、高速道路の出口を意味する)を西側諸国が提供できるかどうかだ。西側の制裁解除には何が求められるか、プーチン氏が承知していることが大事だと、外交関係者たちは言う。プーチン氏の体面を保った形の、合意を達成するためにも。
例えば次のようなシナリオはどうだろう。ロシアにとってまずい戦況が続く。ロシアは制裁の打撃を実感し始める。戦死したロシア兵の遺体が次々と帰還するごとに、国内の反戦気運が高まる。自分はやりすぎたのだろうかと、プーチン氏が考えるようになる。戦争を終える屈辱よりも、戦争を続ける方が自分の立場が危ういと判断する。中国が介入し、ロシアが対立緩和へ動かなければロシアの石油と天然ガスはもう買わないと警告し、ロシアに譲歩を迫る。プーチン氏は出口を模索し始める。対するウクライナ当局は、自国の破壊が続く状況に、これほど多大な人命損失を続けるよりは、政治的妥協の方がましだと判断する。外交官たちの出番だ。停戦合意が結ばれる。たとえばウクライナは、クリミアとドンバスの一部に対するロシアの主権を受け入れる。その代わり、プーチン氏はウクライナの独立と、ウクライナが欧州との関係を強化する権利を認める。
これはありえない話かもしれない。しかし、血に塗られた紛争のがれきの中から、このようなシナリオが浮上する可能性も絶対にないとは言えない。
◆シナリオその5 「プーチン氏失脚」
では、ウラジーミル・プーチン氏本人はどうなのだろう。侵攻を開始したとき、プーチン氏は「我々はあらゆる結果に備えている」と宣言した。
自分自身の失脚という展開にも備えているのだろうか? まったく考えられないことに思えるかもしれない。しかし、世界はここ数日で変わったし、そういう展開を考える人も増えている。英キングス・コレッジ・ロンドンの名誉教授(戦争研究)、サー・ローレンス・フリードマンはこう書いた。「キーウで政権交代が起きる可能性と同じくらい、モスクワで政権が変わる可能性も出てきた」。
Police officers detain a man during a protest against Russia's invasion of Ukraine in central Moscow on 2 March 2022
ロシアのウクライナ侵攻に抗議して警察に拘束される男性(2日、モスクワ)
フリードマン教授はなぜ、こう言うのだろう。たとえばこうだ。プーチン大統領が壊滅的な戦争に突き進んだせいで、何千人ものロシア兵が死ぬ。経済制裁が響き、プーチン氏は国民の支持を失う。市民が革命を起こす恐れが出てくるかもしれない。大統領は、国内治安部隊を使って反対勢力を弾圧する。しかし、それで事態はさらに悪化し、ロシアの軍部、政界、経済界から相当数の幹部やエリート層が、プーチン氏と対立するようになる。欧米は、プーチン氏が政権を去り、穏健な指導者に代われば、対ロ制裁の一部を解除し、正常な外交関係を回復する用意があると、態度を明示する。流血のクーデターが起こり、プーチン氏は失脚する。この展開もまた、現時点ではあり得ないことに思えるかもしれない。しかし、プーチン氏から利益を得てきた人たちが、もはやこのままでは自分たちの利益は守られないと思うようになれば、可能性ゼロの話ではないかもしれない。
◆結論
以上のシナリオはそれぞれ、独立したものではない。それぞれのシナリオの一部が組み合わさり、別の結末に至るかもしれない。しかし、今のこの紛争が今後どういう展開になるとしても、世界はすでに変わった。かつて当たり前だった状態には戻らない。ロシアと諸外国との関係は、以前とは違うものになる。安全保障に対する欧州の態度は一変する。そして、国際規範に立脚する自由主義の国際秩序は、そもそも何のためにその秩序が存在するのか、再発見したばかりかもしれない。
(英語記事 Ukraine: How might the war end? Five scenarios)

BBC
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-60636619





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